Introduction リー・カンション(李康生)は、ツァイ・ミンリャンの主演俳優であることにとどまらず、映画作家としてもその独特な存在感を強め始めている。処女作の『迷子』(2003)で、無為のような弔いの時間を着実なかたちに演出してみせた彼は、新作『ヘルプ・ミー・エロス』(2007)においては現代に蔓延している不安を個々の俳優を通して身体化する。このインタビューでの彼の語り口からも明らかなように、リー・カンションのスタイルはどこまでも具体的なのである。 ──『ヘルプ・ミー・エロス』は2作目の監督作品になりますが、ご自分にとって俳優であることと監督であることとの本質的な違いとはどのようなことだと思いますか。 リー・カンション(以下リー):その違いを身体の部分にたとえると、監督は「頭」にあたると思います。監督と俳優とは普段1本の映画を見るにしても、その見方が違ってくると思います。僕が監督を
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