引き分けでもいいという状況で、受けに回るような戦いをしたくないということで、立ち上がりは少し攻撃的な4-2-3-1の布陣で臨んだんですが、中盤のゾーンの間を使われてボールを回され、ピンチが何回かあったので、急いで元の4-3-3に戻してなんとかディフェンスが安定したあと、いい形でFKから2点取ってくれました。2点というのは非常に怖い得点差で、2点で終われない、もう1点なんとか取りたいということで、チャンスがあったんですが取れないなかで、相手が早めにパワープレーをしてきました。でも選手たちは動じることなくよく耐えてくれて、そしてカウンターから3点目を取ってくれました。われわれとしては理想的な展開で終われました。 ともかく、選手たちが臆することなく、そして冷静にかつ、激しく戦ってくれた。素晴らしい選手たちに感謝したいとともに、われわれのチームはほかのチームにない力があります。それは選手、サポー
フェイスペインティングで気合いを入れるデンマークのサポーター。今回の対戦で、両国の距離は確実に縮まった 【宇都宮徹壱】 大会14日目。日本のサッカーファンにとって、極めて重要な一戦の日がついにやってきた。グループE最終戦、日本対デンマークの試合が行われる、ここルステンブルクの天候は気持ちのよい快晴。キックオフとなる20時30分には、ぐんと気温が冷え込むことは分かっていても、それでも何となく晴れがましい気分になる。 この日は単なる「決戦の日」ではない。グループリーグで同組になった3チームと、完全にオサラバできる日でもあるのだ。思えば昨年12月2日のワールドカップ(W杯)ファイナルドロー以降、われわれはずっとカメルーン、オランダ、デンマークに関するニュースを貪欲(どんよく)に集めまくっていた。戦力分析、親善試合の結果、そして負傷者情報から内紛のうわさまで、サッカーファンを自認する日本人のほと
サッカー日本代表は6月21日、ベースキャンプ地ジョージで完全休養した。 24日のワールドカップ(W杯)・グループリーグ最終戦のデンマーク戦に向けて、体力面と精神面を回復させるのが岡田武史監督の狙いだ。初戦のカメルーン戦(14日・ブルームフォンテーン)は標高1400メートルの高地、オランダ戦(19日・ダーバン)は標高0メートルで戦った。そして最終戦は標高1500メートルのルステンブルク。中村憲剛は「高地から低地に移っているんで、その意味では大変。そしてまた高地に上がる。負担は思ったよりもある」と話したが、ジョージ入り後2度目となる休養でリフレッシュできればいい。 選手は厳重に警備された南アフリカ屈指のゴルフリゾート「ファンコート」内で思い思いに過ごしている。前回の完全休養日(11日)を振り返ると、楢崎正剛、川島永嗣、中澤佑二はゴルフのアプローチ対決で息抜き。本田圭佑と長友佑都は名門ゴルフ
大会9日目。快晴の空の下、ダーバン・スタジアムには続々と日本とオランダのサポーターが詰めかけていた。この日は週末であることに加え、キックオフが13時30分ということもあり、スタジアム周辺の雰囲気は平和そのもの。スタジアム正面ゲート付近は、ちょっとした広場になっていて、日蘭両サポーターが互いに記念撮影をしながら交流している。何だか、ようやくワールドカップ(W杯)らしい光景を目にしたような気がして、こちらも何やらうれしい気分になった。 そんなわけで日本代表である。すでにわれわれは初戦でカメルーン戦に1-0で勝利し、勝ち点3を手にしている。このグループで「最も弱い」とされていた日本が、現時点ではカメルーンやデンマークよりも優位に立っているのだ。開幕前、このような状況を想像できた人は、決して多くはなかったはずだ。いずれにせよ、われわれは大きなアドバンテージを有して、この第2戦に臨む。とはいえ今回
スカパー!オフィシャルコメンテーターを務めるイビチャ・オシム氏がオランダ戦を振り返った 【(C)スカパー!】 ――前半は集中して守っていたが 守備は規律を守ってよくやった。だが、もっといいプレーができたはずです。攻撃ではボールをもっと速く動かすことができれば、もっと速いパスで相手をもっと余計に走らせることができたと思います。そして最後の部分で、フィニッシュの精度が問題なのですが、もっとコレクティブな攻撃ができなかったのかと思います。もっと勇敢にアタックするべきだった。サッカーは得点を競うスポーツですから、物足りない。日本代表の選手たちはオランダを怖がっていた印象があります。オランダが怖がるような攻撃ができていなかった。日本に欠けていたのは殺し屋の本能、チャンスがあったら絶対にそれをものにするという気迫です。それがないから勝てなかった。 ――今大会の中で戦い方を変えていくことで世界と互角
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