2019年度のいじめ統計を詳細に調べてみると、中学校におけるいじめ加害者の出席停止が一年間をとおしてゼロ件であることがわかる。加害者は学校に通いつづけ、被害者は学校を離れていく。一方、私が8月にウェブ調査にて全国の教師の考えを調べたところ、まったく逆に、出席停止を支持している現実が見えてきた。最新の調査データから、「いじめ加害者の出席停止ゼロ件」を問う。 ■「加害生徒にも未来がある」今年3月に旭川市の公園で中学2年の廣瀬爽彩さんが凍死した事案について、いじめ被害を訴える肉声が、一昨日公開された(北海道放送、2021年10月2日)。「学校側もいじめを隠蔽しようとしていて」との語りにもあるように、学校側は廣瀬さんの訴えに耳を傾けてこなかったとされる。 また廣瀬さんの母親からの相談に対しても、教頭は「わいせつ画像の拡散は、校内で起きたことではない」「加害生徒にも未来がある」と答えたとされ、廣瀬さ