膵頭十二指腸切除(すいとうじゅうにしちょうせつじょ) 膵頭十二指腸切除は膵頭部付近の腫瘍に対して行われる標準的な根治手術です。他の臓器に転移がない場合、また膵臓の近くの主要な血管に広がっていない場合、この手術が適応となります。 膵頭十二指腸切除は、全身麻酔下に20センチメートルほど開腹をして、膵頭部、遠位胆管、胆嚢、十二指腸を周囲のリンパ節、神経、脂肪組織とともに切除する術式です。腫瘍の広がりを考えて門脈(もんみゃく)を一緒に切除することもあります。切り離した膵臓、胆管、胃は下から持ち上げた腸とつなぎ合わせます。複数の臓器を同時に切除することから体に負担がかかり、膵から腸吻合(ちょうふんごう)、胆管から腸吻合、胃から腸吻合と複雑な3つの消化管再建が必要で、おなかの手術では最も大きな手術の一つです。吻合部の近くに管(ドレーン)を入れて、おなかにたまる液を排出します。手術にかかる時間はおよそ6