日経平均株価が急上昇する直前の2012年度決算で、日本のケータイキャリア大手3社が計上した営業利益の総額は、約2兆950億円にも及ぶ。これはグローバル市場を相手に商売する自動車大手3社(トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業)の営業利益の合計、約2兆3900億円とほぼ肩を並べる巨大な規模だ。なぜ日本のケータイキャリアは、こんなに儲かっているのか? 背景にあるのはキャリアが端末の販売から回線の提供までを一手に行なうという、日本のケータイ市場の特異性だ。携帯電話研究家で、青森公立大学准教授の木暮祐一氏が言う。 「例えばスマホの端末価格ひとつをとっても、日本では3キャリアが足並みをそろえるかのように非常に高価に設定されています。海外では安価なスマホも多く流通しているのに、日本では高額機種だけを販売し、『スマホは高いもの』というイメージをつくっているのです。そして、その高価なスマホに対し、2年縛り