上の写真のように、爪先に一文字状のステッチングのみを施したスタイルの靴を、「ストレートチップ」と呼びます。ご年配の方を中心に、「一文字」の愛称で親しまれている方も多いかもしれません。キャップトウの代表格と言っても過言ではなく、この靴で真っ先に思い浮かべるのは、恐らく内羽根式の黒のものでしょう。 なぜなら内羽根式の黒のこの靴は、ビジネス用としてだけでなく、礼装用としても不可欠な、「特別なもの」だからです。厳密にはモーニングなどの「昼間の儀式用の礼装」に合わせる靴の模範解答になります。鼻筋に線がシャープに通ったような凛々しい印象を与えるので、確かに個人的にも、このスタイルは内羽根式のプレーントウと同様茶系は眼中になく黒のみ、使う場面もセミフォーマルユース以上のかしこまった場に限りたくなります。 だからでしょうか、日本では1980年代までは、この靴は茶系のものがほとんど売られていなかった記憶があ