「美味しんぼ」は、むかしむかし、よく読みました。料理に関する知識と人情の機微を教えてくれるので、なかなか有益なマンガだったと思います(なお、原作に極めて忠実にアニメ化もされました。)掲載誌は「週刊スピリッツ」。ただ、さすがの長期連載、コミックでは優に100巻を数えますが、私が読んだのは30−35巻くらいまでだったでしょうか。 このマンガの大きなテーマとして、一人の女性を巡る夫(海原雄山)と一人息子(山岡士郎)の葛藤があります。士郎は東西新聞の記者で、その鋭敏な味覚と食の知識を買われ、「究極のメニュー」という会社の威信をかけた企画の担当に、新入社員の栗田ゆう子とともに任命されます。そして、士郎と「敵対関係」にある雄山は、ライバル紙・帝都新聞社の「至高のメニュー」の担当になり、鎬を削る(しのぎをけずる)のです。(士郎は、母が雄山の理不尽な要求のため早死にしたのだと思っているのです。) この海原