「ツイードなんてぇのは、手に入れてからすぐに着るもんじゃない、3年ぐらい軒下に吊るして雨ざらしにして、くたびれた頃に着るもんだ」 とは、かの白洲次郎の言葉。 今やカジュアルなお洒落着としての認識であるツイードジャケットだと思うが、そのイメージをブチ壊すような言葉である。 ■自然に敬意を表すイギリスでは釣りの解禁日に正装をして釣りを楽しむ、という伝統があるそうで、詳しくは知らないけど、作家・開高健の著作に、開高さんがツイードジャケットを着用し、蝶ネクタイをして釣りをしている写真が掲載されていて、僕はすっかり惹かれてしまった。 そしてそれは「自然に対して敬意を表する」という考え方だそうで「釣りと正装」というギャップもさる事ながら、そのイギリスの考え方や姿勢に深く感動してしまったのである。 僕は別に自然愛好家ではないけれど、自然現象に関しては、常に控えめに「恐れ」を抱く必要があると思っている。