金継ぎで欠けを直したもの。 野々村仁清作・銹絵山水図水指(東京国立博物館所蔵)。関東大震災で破損したが、六角紫水が金継ぎ修復した。 金継ぎ(きんつぎ)は金継ぎ師によって陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕する技法であり、古来から行われる日本の伝統工芸の一つである。古くは金繕い(きんつくろい)とも言われた。 概要 [編集] 金継ぎはウルシの木の樹液を精製して作られる天然の接着剤である漆を中心に使用して、多数の工程を数週間かけて行われる。漆に含まれるウルシオールという成分が空気中の水蒸気が持つ酸素を用い、生漆に含まれる酵素(ラッカーゼ)の触媒作用によって常温で重合する酵素酸化、および空気中の酸素による自動酸化により硬化する為、接着を中心とした修繕が可能となる。液状の漆ではかぶれる場合があり注意しなければならないとされるが、硬化した漆は安全性が極めて高く、漆による接着の強度は長い歴史が証明しており、