「分配金で暮らす」は間違い! 老後に苦しまないための 「運用7つの常識」を教えよう 金融業界の「カモ」になってはいけない 60年代の「運用常識」に騙されるな 東日本大震災のしばらく後のことだった。近所の鰻屋さんの主人の表情が暗い。問わず語りの身の上話を聞くと、老後の生活資金の大半を「配当が良くて、堅い会社の株式にしておこう」と思って、東京電力の株式に投入したのだという。 しかし、福島第一原発の事故で、東電の株価が大きく下げたのは、読者もご存じの通りだ。投資した株は暴落し、一方、店で仕入れる鰻の価格は急騰したのだから、気の毒なことだった。数ヵ月後に、その店は閉店した。 別の話。ある女性アナウンサーのお母さんが退職して、某信託銀行(たぶん退職金が振り込まれた銀行だろう)で毎月分配型の投資信託を勧められて、退職金をほぼ丸ごとこの商品に投資した。 米国のハイイールド債(高利回りだが信用リスクの高い