雪が残る3月上旬の京都府南丹市美山町。「日本の原風景」と称されるかやぶき屋根の集落で、外国人観光客がカメラを向けていた。地元で保存活動に取り組む中野忠樹さん(69)は風景を見守りながら、不安を隠さない。「この景観を守り続けることができるのか」 北陸新幹線の延伸計画が地域を揺るがしている。敦賀駅(福井県)-小浜市(同)-京都駅(京都市下京区)-松井山手周辺(京田辺市)を経て新大阪駅につなぐ現行ルート案が決定されたのは2017年。しかし、長大なトンネルや京都駅地下に駅を作る想定に、自然破壊や地下水への影響、残土処分に懸念の声が強まった。ルートに想定される美山町の一部地域が環境影響評価(アセスメント)受け入れを拒否して23年度当初の工事着手は見送られたが、与党府議の中にも「現行ルートは京都にメリットが少ない」との声がある。 そこで昨年末に浮上したのが、
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