たまにはぜいたくしよう、と家族で回らないお寿司屋さんに行く。カウンターで子どもが「サーモンください!」と注文したら、みるみる職人の顔が曇りだして……。 こんな悲しい経験をしたことがなくても、何となく「寿司屋でサーモンは頼みづらいなあ」と感じる人は多いだろう。 ところが近年、寿司ネタとしてのサーモンの評価は急上昇し、考えを改める職人も増えてきたらしい。 そのわけは、ノルウェーや商社関係者の粘りが、魚のプロたちの固定概念を覆したためだ。 鮮やかなピンク色に、脂が乗ったおなじみのすしネタ・サーモン。回転ずしやスーパーの店頭では年中、欠かさず品ぞろえされ、今ではすっかり日本に定着した。 好きな人は、頻繁に食べたくなる食材だろうが、老舗の寿司屋などでは少々頼みにくい雰囲気がある。「国産・天然モノ」にかたくなにこだわる寿司屋にとってサーモンは、いつまで経っても「よそモノ・養殖モノ」に違いない。 だが、