漱石が学校の先生をしていたとき、「I love you」を生徒が「我君ヲ愛ス」と訳したのを聞いて 「月が綺麗ですね」といいなさい。それで伝わりますから…と言ったというお話ですね。 夏目漱石は江戸~明治に生きた人です。 その時代はまだ「愛」という言葉は一般的でなくて「情」の時代でありました。 「愛している」なんて直接的な言葉は一般的ではなく日本の感性に合うものではなかったため その話の前後を捉え、日本人ならではの叙情的な文章で思いをつなげることの方をよしとしたのでしょう。 特に漱石は無粋なことが嫌いな人なので彼らしい逸話だと思います。 彼の「それから」の中での名文句「淋しくつて不可ないから、又来て頂戴」にもつながりますね^^。 尚、夏目の逸話が有名ですが二葉亭四迷もまた「愛している」の代わりに「死んでもいい」と訳しました。 http://www1.odn.ne.jp/siberia_fl/s