わが国でも三陽山長やRENDOなど、木型にしっかり美意識を込めた既製の紳士靴が近年多くなっています。が、その原点として位置付けられるメーカーはイギリスのEDWARD GREEN(エドワードグリーン)ではないでしょうか。 今回は服飾研究家の飯野高広さんと、そのオーセンティックな美しさに迫っていきます。話題は木型の変遷からペットネームの名付け方まで拡がりました。聞き手はミューゼオ・スクエア編集長の成松です。 成松淳(以下、成松):飯野さんは、旧エドワードグリーン製(エドワードグリーンがエルメスに工場を売却する前)と新エドワードグリーン製(新工場に移ったあと)合わせて8足所有されています。エドワードグリーンにどのような印象をお持ちですか。 飯野高広(以下、飯野):エドワードグリーンは最近出たものも含めてデザインが古典的で、ブリティッシュトラディショナルの領域を逸脱していません。対称的なのはJoh