温暖な地域に生息するクマゼミの抜け殻が今夏、県立辻堂海浜公園(藤沢市辻堂西海岸)で大量に見つかった。地球温暖化に伴い北上・東進を続けていることは知られているが、同市内で生息が確認されたのは初めて。繁殖力が強いため、“先住民”のアブラゼミなどを駆逐する可能性もあるとして、研究者は注意深く観察を続けている。 日本自然保護協会自然観察指導員の大谷房江さん(藤沢市辻堂)が、7月末から8月初旬にかけて120~130匹の抜け殻を採取した。「2004年ごろに茅ケ崎市立茅ケ崎中央公園(同市茅ケ崎)で大量の抜け殻が見つかった時から、市境を接する藤沢市への侵入は時間の問題と考えられていた」と大谷さん。 クマゼミは西日本から東海地方にかけて生息し、北上・東進の最前線はこれまで平塚、茅ケ崎両市、横須賀市南部、北陸地方の金沢市あたりとされてきた。大谷さんの元同僚の菊池久登・藤沢市立藤沢小学校教頭によると、平塚市には