同じ仙台市のアパートに暮らしていた女性(当時82)の遺体を宮崎市で放置したとして、死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職の大戸隆被告(59)の判決公判が2日、宮崎地裁であった。瀧岡俊文裁判官は懲役1年保護観察付き執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡した。 判決によると、大戸被告は宮崎県内で女性と車上生活を送っていた3月15日ごろ、軽乗用車の中で女性が亡くなっているのに気づいたが、4月4日まで車内に遺体を乗せたまま移動し放置した。 女性は元職場の同僚で、大戸被告は母親のように感じ、面倒を見ようと仙台市内のアパートの別の部屋に住んでいた。しかし、昨年3月の東日本大震災や余震でアパートが取り壊しになり、生きる意欲をなくした。死に場所を求め、同11月に仙台市を出発し、四国や九州を点々としていた。 公判で、大戸被告は「(震災の1〜2年前から)2人で一緒に死のうと話していた」と語っていた。瀧岡裁判