【第18回】 2008年01月30日 アダム・スミス 政治経済学の祖 アダム・スミス(1723―1790年)は、正式タイトルを『諸国民の富の性質と原因に関する研究』(An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations)といい、一般には『国富論』(The Wealth of Nations)として知られている彼の最も高名な著書を1776年に発表した。 この本は現代の最重要書物の1つとされることが多く、個人の自由に絶対的価値があるということと、自己利益の追求が最終的には社会全体の利益につながるということの2点が、この本の思想の要点である。 人生と業績 スミスはスコットランドのカーコールディで、未亡人の母親に育てられた。奨学金によって14歳でグラスゴー大学へ進学し数学と倫理学を学び、その後17歳でオックスフォード大