いいお金の使い方とは何か。ジモコロ編集長の徳谷柿次郎さんは、関係性構築のためにお金を使う「ネオ浪費」を提唱する。極貧時代を経て、進化を続ける柿次郎さんのカウンター的浪費論について、前編に引き続きインタビューした。 「ネオ浪費」の定義 編集者として取材相手との関係性を構築するために惜しみなくお金を使う行為。一期一会の出会いの中で「モノ」を介在させて、お互いの記憶に留める側面もある。言ってしまえば「投資」だが、あえて「ネオ浪費」という言い方をしている 柿次郎さんはローカル領域の編集者として、若手の人材発掘や育成にも力を入れていると聞きます。そこでも順調にネオ浪費をしていますか? 徳谷柿次郎(以下、柿次郎):はい。先日、宮崎のパブリックスナック*で出会ったカズエという女の子にiPad Proを買ってあげました。彼女は東京の美大を出ているんですが、都会生活が合わなくて、地元の宮崎に帰ってスナックで