左わきの下に、とても大きなほくろがある。あんまり大きいので、三番目の乳首じゃないかとおもうほどである。さいわい、わきの下という、あまり目立たない場所にあるため、さほど気にせずに済むのだが、困ったことに、三十歳をすぎてから、こいつがさらに巨大化しはじめた。歳を取るってやだねー。ほくろが巨大化するんだもの。といっても、ほくろの面積が大きくなったのではない。立体化していったのだ。なんというかこう、きのこみたいに、わきの下からにょきにょき生えてきてしまったのである。まいったな。ことによると、こいつはほんとうに乳首かも知れないと、わたしは心配になっていた。 ここ数年、わたしはわきの下から生えてきたきのこがやけに気になってしまい、心なしかだんだんかゆくなってきて、ぽりぽりかくのが癖になっていた。つい、かいてしまうのだ。しだいに、ほくろきのこはぐらぐらしてきて、つよくひっぱったら、取れてしまいそうな感じ