大学生くらいの頃のミュージシャンとしての私は本当、高慢なクソヤローでした。 作曲や作詞を当時からやっていましたが、そうした自作曲の中に、自分がすごく感動するものが含まれていました。「オレ、いい曲書く」みたいな意識がどこかにあるのです。 そうした感動や心が打震えた体験があってか、「オレの音楽、最高」でとまってしまって、ほかの人の作から多くを学ばない。そんな「クソヤロー」の一面があったように当時を顧みています。 特に、「ライブ」に自分でチケットをとってあまり行く人間でなかったことをかえりみています。音源は、聴いていました。気に入ったものを中心に、好きじゃないものを遠ざける狭い視野ではあるにせよ。 そんな私を、当時の恋人が、しばしばチケットをとってライブに誘ってくれたことがありました。 そうして観たものの中のひとつに、安藤裕子の公演がありました。会場が、横浜の大桟橋。なんてロマンティックな立地。
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