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bandshijinのブックマーク (274)

  • いい日旅立ち 全国に秘めた未来の出会い

    どこで歌っているの? と思ったらこれはスタジオか。落ち葉でいっぱいにした地面に樹木のイミテーション。すごいセットに気をとられて歌から意識がそれてしまいます。葉っぱのあいだからカメラがとらえる山口百恵は最小限の挙動で美しい姿勢を保って、潤い豊かな歌唱。2サビは惚れ惚れする堂々とした高らかな歌声です。エンディング付近もまた、枝や葉の向こうに彼女をとらえるアングルと構図。斬新ですが、ちょっと枝を払ってやりたくなります。 曲について 国鉄のキャンペーンソングとして制作されました。山口百恵のシングル曲で、アルバム『曼珠沙華』(1978)に収録。作詞・作曲:谷村新司。編曲は川口真で、私の好みでいうと『ドリフのピンポンパン』を編曲した人です。 山口百恵『いい日旅立ち』(1978)リスニング・メモ お琴のサンプリング音のような幕開け。ディレイ(こだま)がかかっています。このトーンはBメロのおしり付近での上

    いい日旅立ち 全国に秘めた未来の出会い
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    bandshijin 2021/04/07
    キャンペーンの趣旨にも沿った内容の歌詞、美しいメロディと山口百恵のずば抜けた歌唱で知られる名曲ではないでしょうか。
  • 東へ西へ 井上陽水 仄暗いチアリング

    エレクトリック・アコースティック・ギターの中音域が出ています。コーラスのエフェクトをかけているようですね。コロンカランとしたキャラクターの乾いた音色です。彼独特の粘性ある歌と竹を割ったようなさばけたギターのリズムストローク。貫禄があります。弾き語り仙人と敬称したい。平静に熱量を蓄え、エンディングでリタルダンドしドーンと質量のある最後のワンストローク、Ho! と一声。響きました。 動画タイトルに1992年、武道館、SPARKLING BLUEとあります。1992年3月18日福岡国際センター以降、全国11ヶ所・16公演おこなったツアー名です。 曲について 井上陽水の2枚目のオリジナル・アルバム、『陽水II センチメンタル』に収録されています。1969年に『カンドレ・マンドレ』(CBSソニー)でデビューしたときの芸名、アンドレ・カンドレから井上陽水に1972年のシングル『人生が二度あれば』で改名

    東へ西へ 井上陽水 仄暗いチアリング
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    bandshijin 2021/04/06
    つめたく、不安が焦がれるようなこわさが、のろけたジョークと混在している。井上陽水の世界が私はたまりません。それでいて、ガンバレみんなガンバレ。がんばろうと思います。
  • 黄昏のビギン 詞と曲と歌声の洒脱に酔う

    この曲、メインの調(Fメージャー)と遠い和音(D♭)から始まるのがとても好きです。 曲の歌い出し「♪あーめにぬれてたー」のモチーフを元にしているけれども微妙に違うフレーズをストリングスの高音パートが素朴に歌い上げます。 ここはD♭調の主和音(Ⅰ)なのだとみることもできますし、メインの調の半音上(G♭)の調のドミナント(Ⅴ)とみることもできるかな? 後者の解釈の方が私は好きかも、と思ったのですが、旋律のフレーズがD♭調のヨナ抜き音階っぽいのでまぁD♭調ととるのでよろしいかなと着地。 ですがこれも一瞬のことで、すぐさま半音さがってCの響きに変わります。で、これはメインの調のFメージャー調にいくためのドミナント(Ⅴ)です。 ここまでで曲開始からわずか7秒間ほどですが、私が興味をそそられる音楽的出来事がたっぷりつまっていました。 Cのコードをドミナントに、ようやく(私が長引かせただけ)歌がはじまり

    黄昏のビギン 詞と曲と歌声の洒脱に酔う
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    bandshijin 2021/04/05
    Aメロはヨナ抜きを基調に跳躍の多い旋律。Bメロは短調に転調、旋律に短2度刺繍のいじらしさ。水原弘はかなりの酒のみだったようですが、『黄昏のビギン』の曲・詞・歌声は洒脱そのもの。表裏一体なんですね〜。
  • 涙のキッス 恋の終わりは、やさしい耳触り。

    曲について サザンオールスターズのシングル、アルバム『世に万葉の花が咲くなり』(1992)ほか、ベストアルバム『海のYeah!!』などに収録されています。 作詞・作曲:桑田佳祐。編曲は小林武史、サザンオールスターズ。 テレビドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS系列)書き下ろし主題歌。 私は高校生のときに(2003年ごろ)この曲を知りました。軽音楽部で一緒にバンドをやっていた友達がサザンオールスターズが好きで、その人から教えてもらった曲でした。 サザンオールスターズ『涙のキッス』リスニング・メモ オープニングのシンセブラス風の柔和な音色のハーモニー。これに、ポルタメントしながら上下するシンセの音が絡みます。 ちょっと奥から聴こえるピアノのトーンがオブリガード。 2コーラス目Aメロで原由子のハーモニーボーカルが目立ちます。 右側からエレキギターのカッティング。1拍目を空けて2拍目と3拍目

    涙のキッス 恋の終わりは、やさしい耳触り。
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    bandshijin 2021/04/04
    やさしい耳障りのサウンドが、主題のせつなさをかえって強調します。心が弱ってるときに聴いたらやられちゃいますね。私はいつもやられています。
  • KinKi Kids『硝子の少年』胸の中の面影

    リスニング・メモ 打ち込みの4つ打ちビート。シェーカー、ラテン・パーカッション、ハイハットがチキチキいう16ビートに乗って、ピアノトーンがシックスティーン移勢リズム。感情に有無を言わさんばかりに降り注ぎます。歌謡の匂いまとうシンセ風トーンのイントロメロディも16ビートで異なるリズムです。ストロークのピアノは弱起の移勢リズムですが、旋律のシンセトーンは強起の移勢リズム。波状にたたみかけ、聴き手を曲想に没入させます。 ベースもジュンジュンとにじむような沁みるようなトーン。正確無比に運ぶシックスティーンのリズム。 ストリングスが高鳴り、感情をあおります。クラシック・ギター風のクリーンなトーンがオブリガードし、メランコリックな響きを添えます。間奏のシンセやストリングスとのかけあいが流麗です。 エレキ・ギターもときおり「チャカッ」とワウがかったクランチサウンドのカッティングが左側に聴こえます。さりげ

    KinKi Kids『硝子の少年』胸の中の面影
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    bandshijin 2021/04/03
    この曲は特定の時代を思わせる歌謡曲の特徴を感じさせる一方、聴く人や聴く時代を選ばない恒久性を備えています。『硝子の少年』の輝きは、どんな人の心の中にもいる「少年の顔をした私」を思わせるのです。
  • 接吻 ORIGINAL LOVE サレオツ・コードの妙

    ジャズっぽく流麗、即興的。いぶし銀なギターのイントロ。画面の外からパーカッションの音? と思ったら足元に小さな木の箱のような楽器、慎ましやかに共振するタンバリン。田島貴男人が立ったまま右足で4つ打ちを踏んで演奏しています。 高音域までフェイクがふんだんに入ったボーカル。ライブならではのパフォーマンス、エンディングで熱量はピークに。コンパクトなステージで、一人の男から豊かな演奏が展開。好演です。 映像はYouTubeチャンネル:LIVE LOVERS officialより、田島貴男のFUJI & SUN’19出演時のもの。FUJI & SUNは2019年にはじめて開催されたフェス。会場は静岡県が設置する有料公園「富士山こどもの国」。2021年も5月15日・16日に開催予定(初日ヘッドライナーは私が熱烈支持する、くるり)。 MV 異国? MV。ロケーションは海外でしょうか。見晴らしのよいとこ

    接吻 ORIGINAL LOVE サレオツ・コードの妙
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    bandshijin 2021/04/02
    「コード進行の妙」の観点でORIGINAL LOVEの『接吻』を鑑賞すると、ひときわ燃えます!!!
  • 吉田美奈子 夢で逢えたら 眠っている素敵

    まえがき 乗数形の儚さ 夢の中で良いアイディアを思いついた。作詞のネタだった。でも、忘れてしまった。朝、覚醒しつつあるときに思いついたネタだったのだと思う。でも、まどろみながら、もう一度寝てしまった。 二度寝から目が醒めたとき覚えていたのは、思いついたアイディアの外側、つまりそんなようなものが存在したなという余韻だけだった。 夢というのは儚い。忘れるのも儚い。夢で出会ったものを忘れてしまうというのは、儚さが入れ子になってしまったみたいだ。まるで乗数形である。 曲について 作詞・作曲:大瀧詠一。1976年、吉田美奈子のアルバム『FLAPPER』に収録されました。1977年にはシリア・ポールの歌ったシングルが発売。その後も多くのミュージシャンによるカバーが生まれます。 The Ronettes『Be My Baby』を思い出します。イントロのドラムスとクラップのパターン。 細かく絡むフルートオ

    吉田美奈子 夢で逢えたら 眠っている素敵
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    bandshijin 2021/03/31
    コーラスが荒井由実『ルージュの伝言』っぽいと思ったらまんま同じ面子でした。あちらこちらでみつけた遺伝子がつながる快感です。
  • 大滝詠一 君は天然色 サウンドリスニング記 〜時代逆転ホームラン〜

    水面のゆらめき。ネオンの明滅。カメラに射す光輪。影が徐々にあらわれ、風景に色がついて塗り替わるようにシーンからシーンへとクロス。静止画を基調にしていますがカメラワークやレイヤーによる演出で映像はたえず動きます。リゾート地を思わせる舞台と、そこにいるネイティブや個性的な人物たちは情景と同等にフラットな存在で、主体性と現実味に乏しく浮遊(富裕?)感が漂います。喪失の先にある、今はまだここにない色づいた世界を思います。永井博のイラストレーション。映像制作は依田伸隆です。 曲について 作詞:松隆、作曲:大瀧詠一。編曲は多羅尾伴内で、大瀧詠一の変名です。1981年の大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』に収録され、シングルも同時発売。 このアルバムの発売予定日は、もともと大滝詠一の誕生日に合わせて1980年7月28日だったそうです。それが1981年3月21日になった理由は、ひとつには

    大滝詠一 君は天然色 サウンドリスニング記 〜時代逆転ホームラン〜
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    bandshijin 2021/03/30
    ザ・ロネッツ『Be My Baby』を聴いて、大滝詠一の『君は天然色』を感じる…本当は逆で、大滝を聴いてロネッツを思い出すというのが時代の順番のはず。偉大なミュージシャンは、時代さえ逆転させてしまうのです。
  • まちぶせ 不器用な恋の策略

    松任谷由実が荒井由実名義でセルフカバー。レゲエを思わせる裏打ちリズムですがハネ感を抑えていてフラットなグルーヴです。きらきらと絢爛な歌謡のステージ、時代の匂うホールを思わせます。途中やエンディングでは船のシーン。芸能や娯楽界特有のお金の費やし方や魅せ方が豪勢なアプローチを感じます。船で外洋へ出ていく(実際は入江への帰港かもわかりませんが)エンディングは「まちぶせ」という主題とは反対に、攻めの積極的な表現にも思えます。 曲について 荒井由実が作詞・作曲、三木聖子に提供。三木聖子のシングル発売が1976年(この年のユーミンは荒井から松任谷名義への端境でしょうか)。 石川ひとみによるカバーが1981年。石川ひとみは歌手としてこの曲にかけるものがあったといいます。 荒井由実によるセルカバーシングルが1996年。松任谷名義にしてすでに多くの時間が経っていますが、元の名義で出したようです。 三木、石川

    まちぶせ 不器用な恋の策略
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    bandshijin 2021/03/29
    主人公は策略家のようでいて、かなり不器用です。まわりくどく、目的はあれども、自分にはこの戦略しかとれない。そういうブルースの響きをもって、この『まちぶせ』は私に響くのです。
  • 赤い花 白い花 赤い鳥の拡散

    赤い鳥の音源。 曲について 1970年の赤い鳥のシングル『人生/赤い花白い花』(1970)、アルバム『竹田の子守唄』(1971)に収録されています。 作詞・作曲者は中林三恵。彼女が歌ったのが群馬県の大学を中心に広まり、それが巡ってやがて赤い鳥メンバーに伝わった。当初は赤い鳥メンバーにはこの歌の作者が分からなかったが、ラジオで彼らが呼びかけることで作者が中林三恵(当時は遠藤三恵)と判明した。そしてシングルなどの音源化に至る……といった経緯のようです。 その後はみんなのうたでビッキーズに歌われる、芹洋子に歌われるなどの広まりを見せます。当初の赤い鳥のパフォーマンスは歌詞が2番までですが、芹洋子のものについては、芹洋子側の要望で中林三恵が書き加えた3番があります。 【参考サイト】 新井啓介 もうひとつの夕景工房 >「赤い花白い花」と中林三恵さん ニコニコ大百科>赤い花白い花 赤い鳥『赤い花白い花

    赤い花 白い花 赤い鳥の拡散
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    bandshijin 2021/03/28
    [[歌謡]フォーク][シンガーソングライター]美しく神妙なアレンジは見事です。ベースのポジションを2拍単位で動かした分数コードの響きをはじめその音楽はどこも非常に垢抜けていて、時代の移ろいに朽ちるどころかむし
  • 真夜中のギター 孤独と詩情

    すっと立って堂々と歌っていますね。手振りを交えています。響きの得られる歌唱を体得していますね。専門機関で声楽や舞台表現を学んだ方かもしれません。 https://youtu.be/vgLnARqIONk こちらのほうが後年のもののようです。ビブラートが強くかかるサスティンです。語頭の立ち上がりに貫禄が出ました。フレームには入ってきませんが後半でハーモニーボーカルのバッキング。 曲について 千賀かほるのデビューシングル曲(1969)。この曲で第11回日レコード大賞新人賞を受賞したとのこと。 私は歌に載っているのを見てこの曲を知りました。シンプルな出だしの印象。作詞者を見るに吉岡治。『おもちゃのチャチャチャ』を子供向けに補作詞した人と記憶していました。 作曲の河村利夫はサクソフォン奏者でもあり編曲もする方のようです。武蔵野音楽大学出身者で、音楽教室なども営んでいる様子。コロムビアの専属作曲

    真夜中のギター 孤独と詩情
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    bandshijin 2021/03/27
    歌詞、メロディの無駄のなさや普遍性はもちろん、ストリングスの対旋律やフレージングに象徴される編曲のセンスの高さに私はとても感激しました。作曲者が編曲者を兼ねる好例だと思います。筒美京平もそうですよね。
  • 原田知世『時をかける少女』(1983)リスニング・メモ 大人少女の端境期

    曲について 原田知世のシングル曲(1983)です。当時15歳くらいだった彼女が主役を演じた、筒井康隆の同名小説を原作とした大林宣彦監督の同名映画の主題歌で、松任谷由実が作詞・作曲しました。編曲は松任谷正隆です。 原田知世『時をかける少女』(1983)リスニング・メモ シンセサウンドの、強拍をとったあとに移勢するフレーズのイントロ。このフレーズはメロのバッキングの主パターンにもなっていますし、メロからサビに移るとき、1サビから2コーラス目に移ろうとき、2コーラス目のサビが反復するとき、エンディングにも登場する重要フレーズです。リスナーに与える曲の印象を占める割合が大きいはずです。このサウンド、私個人としてはドゥービー・ブラザーズを思い出します。彼らのアルバム『Minute by Minute』が私は好きなのですが、このアルバムもシンセサウンドの魅力満開。原田知世の『時をかける少女』(1983

    原田知世『時をかける少女』(1983)リスニング・メモ 大人少女の端境期
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    bandshijin 2021/03/26
    編曲の緻密さ、演奏、録音の良さに相当惚れました。この布陣でメインキャスト、十代なかばの原田知世を囲んだのです。あろうことか作詞・作曲はユーミンです。いい意味でユーミンが立役者になっている気もします。
  • やさしさに包まれたなら ユーミンの長7度ステップ

    『やさしさに包まれたなら』曲について 作詞・作曲:荒井由実。編曲は松任谷正隆。アルバム『MISSLIM』(1974)に収録されました。シングル版は音源が異なり、テンポもアレンジも違います。そちらはベストアルバム『YUMING BRAND』(1976)に収録。 シンプルな編成は楽器、歌声といったフィジカルの音を近くに感じさせます。ふたりのギタリスト、ベーシストとのハーモニーワークに光る技量。タンバリンのリズムのユーミン弾き(叩き?)語り、客席の中央に確かな4人柱。歓迎ムードの好演です。 『やさしさに包まれたなら』(アルバム版) リスニング・メモ アニメ映画『魔女の宅急便』に使われたこともあり、私の頭に思い浮かぶのはアルバム版のほう。こちらを聴いていきます。 右にハイ・ポジションのアコースティック・ギター。チャキチャキとリズムを先導する柱です。カポタストを用いた擬似的な開放弦を交えたサウンドで

    やさしさに包まれたなら ユーミンの長7度ステップ
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    bandshijin 2021/03/25
    ヨナ抜きを基調にオイシイ所のみで「ヨナ抜き」を破るのはヒット曲に頻出する特徴。メロディに革新の翼となつかしさの郷土。歌詞は子ども時代と大人になったあとの両方を思わせる情景の飛翔、時間の振れ幅が。
  • 河島英五『酒と泪と男と女』を聴いて 心を持ってく擦れたサスティン

    リスニング・メモ 右にオブリガードのアコースティック・ギター。左にストロークのリズム・アコースティック・ギター。 ベース。平歌では1コードに対してストロークも1回を基調に。サビではストロークを増やし音程の動きも多くなります。コシがあってハイエンドな音色です。 ドラムス。ダイナミクスに幅のある表情豊かな演奏が妙です。平歌や間奏ではかなり抑えていて、スネアのスナッピー(響き線。裏側のヘッドに接するように張ってある金属の縮れた線)が短くパツッと鳴り、衝突と胴鳴りを抑えた音色です。サビではダスンッと胴に響く音を聴かせています。またサビではスネアのストロークにタンバリンも重ねていますね。 オルガン。ヒュー…と、高い周波数にピークがある感じの音色です。主にコードチェンジの度に1ストローク。ベースの動き方にも似た2分音符中心の動きです。イントロで目立っていますね。 ピアノ。ベーシックリズムとハーモニーを

    河島英五『酒と泪と男と女』を聴いて 心を持ってく擦れたサスティン
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    bandshijin 2021/03/24
    私の中にある側面を河島英五は全身で発しているのです。もちろん、勝手に河島英五の波長に、たまたま私がコミットした、共振したというだけの話なのですけれど。
  • 青春の影 チューリップ リスニング記とプチ聴き比べ

    曲の名義、発表の概要について TULIPのアルバム『TAKE OFF (離陸)』(1974)に収録されました。作詞・作曲:財津和夫、編曲:チューリップ、弦管編曲:青木望。 青春の影 リスニング・メモ(TULIPのアルバム『TAKE OFF (離陸)』より) ベーシック ドラムス。歯切れが良いですがまるっこく太く、パワーと暖かさがあるトーン。高いタムを右に、低いタムを左に定位させて広げています。ハイハットは右寄りでしょうか。客席からドラマーを見た場合の楽器配置に適っているようです。ほかのシンバル類はおそらくそれぞれで左右に広げてあるか。スネアとキックはほぼ中央ですがマルチマイクでかなり巧妙な音像づくりがされている……気がします。 ベース。コードチェンジに合わせた1小節に2回の2分音符ストロークを基調にしつつ、ところどころで経過的なラインをみせます。1サビ後2コーラス目に入る前や2サビ後の間奏

    青春の影 チューリップ リスニング記とプチ聴き比べ
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    bandshijin 2021/03/23
    己に付したラベリングのむこうにある私とあなたの関係こそが愛か。タイトル「青春の影」は曲の主題を抽出して本文中にない言葉をつかって題したのでしょうか。これから更新していく私とあなたの関係を際立たせます。
  • パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福

    パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福 大滝詠一氏の『ア・ロング・バケーション』が発売(1981年3月21日)して40周年に達しました(この記事の執筆時)。彼の構想の周囲にはすばらしいミュージシャン、すばらしい楽曲が房をなしているように感じます。今日はそんな中から、私が前から好きだった曲、山下達郎『パレード』。 リスニング・メモ オープニング 絢爛なピアノソロの序奏。壮大な協奏曲のオープニングでオーケストラを突き破って出てくるソロ・ピアノのようでもありますし、コードや縦横のストロークにはジャズの雰囲気も感じます。 序奏でピアノと一緒にトライアングルも聴こえます。こんなに激しいトライアングルにお目にかかれるのも稀有です。トライアングルひとつがこれほど? と、心配になるほど激しくうなりあげます。

    パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福
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    bandshijin 2021/03/22
    恋だの愛だのいう単語を使わずに、とろけるようなロマンを描いているのです。洗練されたクールな感性です。洋楽への愛や研究のたまものでしょうかね。
  • HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ

    1995年2月6日発売の福山雅治の10枚目のシングルです。このシングルまでのシングルとそのカップリングをまとめたAB面集『M-COLLECTION 風をさがしてる』にアルバム初収録。作詞・作曲:福山雅治、編曲:佐橋佳幸。 原曲リスニング・メモ ベーシックリズム 右と左にダブって振ったアコースティック・ギターのストロークが音像を幅広にしています。 打ち込みのドラムスがカンカンと甲高く響きます。プログラミングの音ですね。ボーカルやサクソフォンのマイルドで色気のある演奏に鋭いアクセントを与えます。 ベースはカドのまるいコシのある音です。ストロークのアタック感控えめ。耳触りやさしく、ブイブイと高密度なサウンドでグルーヴを牽引します。 ウワモノ サクソフォンはイントロや1番と2番の間などでのベースとのユニゾンプレイ、サビの後半(♪まだだれもしらない…のあたり)にいます。間奏では華ですね。登場シーンを

    HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ
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    bandshijin 2021/03/21
    歌本をめくって出会い直しました。Cメロ譜の旋律線がキレイ!サビ前の♪かなわぬゆめかぞえて…の2拍3連や、サビ終わりの♪きみとえがおつかまえるのさ…のメロディの印象付けの妙技にその場でのけぞったほどです。
  • 夢の中へ 井上陽水 リマスターの精緻

    天井からのみおろしアングルを基調に展開する、まさに夢の中のようなMV。子供たちが可愛らしいし、大人たちが登場するシーンの演技・演出もコミカルかつどこか風刺も効いていてとっても痛快です。 手描き、写真、動画、コマ撮りなど技法が多彩。色彩と光陰の緩急・対比が際立っていて、友好心や遊び心があふれています。とても高度な作品だと思いますが、苦労や技術の駆使は完全にバックヤード(現実)に収納されており、映像は冒頭で述べたようにまさに「夢の中」。さらりと軽妙な触感で、後味爽やかな映像です。素晴らしい。 リマスターのテッド・ジェンセン 2017年2月15日に発売した『夢の中へ』リマスター。マスタリング・エンジニアがテッド・ジェンセン。この人が担当した作品を私の好みで紹介すると、Norah Jones『Come Away with Me』(2002)、Billy Joel『The Stranger』(201

    夢の中へ 井上陽水 リマスターの精緻
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    bandshijin 2021/03/20
    バンドでライブ再現可能な編成で描き切っているのも好感です。夢の中へという主題の広がりを思うとなんでもやりたい放題な気もしますが、的を射るような精度でまとまっており無駄のない構築が美しさを醸しています。
  • ルビーの指環 寺尾聰 風の街に貴女の幻影

    冷たく明瞭で硬質なコーラスがかったエレクトリック・ギターのカッティング。右と左にダブってあり弾き分けてもいるようです。コードを浮かべるように置くトラックと細かくシックスティーンで刻むトラックが同時に聴こえる瞬間があるようです。冒頭でベースとユニゾンプレイする歪んだサスティンの強いリードトーンもあります。 ヴィブラフォンがオブリガードを添えます。エレクトリック・ギターのリードトーンと時折同調したフレーズを描き込んでもいます。長く深いサスティンは曲に都会的な雰囲気を与えています。ヴィブラフォンが大人のちょっと孤独な遊び場(バーやダイニングのような)のイメージをもたらすのはなぜなのでしょう。私だけ? キーボードはシンセストリングスのふわぁっとしたトーンで和音を支えます。イントロのギター&ベースのユニゾンリフに続く旋律はシンセブラス風。また要所できらびやかな1拍6連フレーズなど見せます。閃光を喰ら

    ルビーの指環 寺尾聰 風の街に貴女の幻影
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    bandshijin 2021/03/19
    4年しても6年しても、きっと主人公は“貴女”の影に敏感でいるのでは。指にルビーのリングをした貴女が、もうどこにもいなくとも。あの頃と似て非なる、代謝を続ける“風の街”を今日も行くのでしょうね。
  • 世界は二人のために 佐良直美と没入の歌

    私はいずみたくファン。歌謡曲をたくさん載せた歌を見ていると、彼の作品にたくさん出会えます。あれもこれも、それもいずみたくなの?! と言いたくなるほど彼は多作で、そのひとつひとつで私の心を揺さぶります。 『世界は二人のために』もその1曲。私の手持ちの歌に載っていて、ふんふんと鼻歌で音をとってみると、なんかいい感じ。音形の反復がきれいで、覚えやすいのです。“愛” “花” “恋” “夢” などと、2音で発音する単語を強拍に置いて印象づけています。 この曲、そのうち自分でも弾き語りしてみようと思いつつも一度、寝かせていました。 シン・エヴァンゲリオン劇場版に『世界は二人のために』 加入しているAmazon Primeで何気なく『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』を見ていたら、どうも覚えのあるメロディが聴こえてきます。登場人物が口ずさんでいる……という演出。あ、この曲知って

    世界は二人のために 佐良直美と没入の歌
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    bandshijin 2021/03/18
    “二人のため 世界はあるの” との言葉の意味を取り出して味わってみると、なかなか極端です。恋愛中の二人はまさに盲目。世界のすべてが自分たちの脇役に思えるかもしれません。それもまた真実。