小売業の不振が続く中で、店舗数、販売額ともに高い伸びを示しているのがコンビニエンス・ストアである。 1992年以来、小売業の伸び率を大幅に越えて売上高を伸ばし、1999年現在、商店数は3万9,267店、年間販売額が6兆1,346億円。1995年からは既存店が前年割れになり、飽和状態の感は拭えず、少しかげりが見えてきたものの、新規出店でコンビニ全体の売り上げを伸ばしてきた。 コンビニエンス・ストアは、単なる長時間営業の小規模小売店である事をはるかに越えて、現在、社会現象として都市住民の生活行動に大きな影響を与えている。 コンビニは時代に応じて、小売り業が持つ、ある種の社会的役割を果たしてきたといえる。1970年代には、24時間・年中無休という営業体制で、社会全体が夜型に移行するなか、学生や深夜にわたる就労者の生活にいち早く利便性を提供してきた。1980年代には冷凍食品やレトルト食品の提供