肝機能障害の食事療法 安定期の肝疾患の食事療法は、高たんぱく、高エネルギー、高ビタミン食が基本となるが、病態によって異なる部分もある。それぞれの肝疾患の栄養食事療法について、聖マリアンナ医大病院栄養部の中村丁次部長の著による『食事で病気を治す本』(法研)から抜粋して紹介する。 急性肝炎は割合自然治癒する傾向の強い疾病であるため、ウィルスに対する抵抗力を高めるとともに、肝臓の細胞修復を目的とした積極的栄養摂取が重要となる。 特に急性肝炎の発病初期には食欲不振、発熱などの症状が重なり、摂食困難に陥り、消化、吸収能力も低下しているので、口当たりがよく摂食・嚥下しやすい粥食にする。脂質は食欲不振がある際や黄疸が強いときは制限する。 黄疸がもっとも強くなる頃になると、種々の自覚症状は軽減し、食欲も回復の傾向になる。食欲が回復してきたら、早い時期からご飯食とし、たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含