高視聴率となっているNHK連続テレビ小説『花子とアン』。『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子の生涯を描くドラマだが、花子の「腹心の友」である葉山蓮子(演じるのは仲間由紀恵)が出てきて俄然面白くなってきたと話題になっている。その蓮子のモデルは戦前の日本を「白蓮事件」で驚かせた歌人、柳原白蓮だ。生前の白蓮を取材したことがあるという作家の永畑道子氏が白蓮の関係者を探し出し、丁寧に取材を重ねた『恋の華 白蓮事件』(永畑道子/藤原書店)(本書は1982年に出た本の新版なので、取材当時はまだ関係者が存命だった)から、彼女の人生を探ってみよう。 白蓮の本名は柳原燁子(やなぎわらあきこ)。藤原北家の流れを汲む公家で、後に伯爵家となった元老院議員(外務卿も務めた)の柳原前光(やなぎわらまえみつ)伯爵の妾腹の子として、明治18年(1885年)10月15日に誕生した。母は没落士族の娘で、芸者をしていた奥津りょう。没