小泉内閣が掲げていた自衛隊のイラク年内派遣が揺らいでいる。派遣予定地サマワに近いナーシリヤで11月12日に起きた、イタリア警察軍部隊への自爆攻撃で30人近くが死亡したためだ。悪いタイミングで来日したラムズフェルド米国防長官に対して、さすがに年内派遣を口にすることは出来なかった。現地で自衛隊員に多数の犠牲が出れば、内閣の基盤が弱体化し日米同盟そのものにまで響く可能性すら出てきた。次々と押し寄せるニュースに流されるままにせず、イスラム世界とその在りようについて、立ち止まって考えておきたい。 ◆三つの宗教は対立していなかった イスラムについて、理系だった私は板垣雄三さんの一般教養ゼミで学んだ。今、ネット上では実に大量の知識が得られる。中でも同志社大学では神学部・小原克博On-Lineの「インターネット授業」から、このテーマと関係が深い講義、宗教学8-501「宗教と平和-紛争・抑圧を克服する道を求