向精神薬を大量に飲んだりリストカットを繰り返すなど、自殺に関連する行動で精神科に入院した患者の約6割が、若年層に多い「境界性パーソナリティー障害」と診断されていたことが、東京都立松沢病院の研究でわかった。日本の自殺予防の施策は中高年のうつ病が中心だが、若い世代への対策も必要と専門家は指摘する。 都の精神科救急医療の拠点病院である松沢病院に2006〜07年に入院した患者のうち、自殺未遂を経験した155人(男性68人、女性87人)を対象に面接調査した。自殺未遂の方法は、薬の過剰摂取が約3割、リストカットが約4割を占めた。 境界性パーソナリティー障害と診断されたのは全体の56%。女性の方が割合が高く、男性の41%に対し女性は67%だった。平均年齢は33歳で、障害がない人に比べ8歳若かった。 境界性パーソナリティー障害は思春期から青年期の患者が多く、衝動的な自傷行為を繰り返す場合が多い。自殺