前回の記事で、私は古井氏について書く時、古井氏のセクハラの噂について書くべきかどうか迷った。結局書かないことにしたのだが、それはあくまで文学は文学の内部で批評されるべきだと思ったからである。この考えは原則変わらないが、しかしその後山崎ナオコーラが古井氏に尻を触られる被害を受けたことをエッセイに書いたので、私も自分の聞いた話を書いておくべきではないかと思い、記して置く。 私が聞いた話は、山崎氏(この話は知らなかった)ではなく別の女性作家の話(ゼロ年代初め?)である。この話はちょっと入り組んでいて、古井氏が文壇バーで同席していたその女性作家の身体(部位は不明)を触ったところ、同席していた大手文芸誌の編集者は、古井氏をたしなめないで、同じく同席していた別の非文芸誌の編集者を犯人として怒鳴りつけたと言うものである。身に覚えがないのに怒鳴られた後者の編集者は大変憤慨したとのことで、冤罪の悔しさを、酒