なぜマジョリティ男性は憎悪を募らせるのか?〜小田急線事件を受け『差別はたいてい悪意のない人がする』1章を緊急公開 8月6日夜、小田急線車内で36歳の男性が刃物で多数の乗客に斬りつけた事件。「幸せそうな女性を殺したいと思った」という容疑者の供述から、SNS上では「フェミサイド」(女性差別に基づく憎悪犯罪)だとの指摘が上がっています。むろん事件や動機の詳細は今後の解明が待たれますが、多くの人がこの事件を韓国の「江南駅殺人事件」になぞらえました。 マジョリティである男性が女性に憎悪を募らせる現象、そこでしばしば言われる「逆差別」という言説は果たして妥当なのか? 健全な議論に資することを願い、8月末発売『差別はたいてい悪意のない人がする』(キム・ジへ著)から1章「立ち位置が変われば風景も変わる」の前半部を緊急公開します。 著者:キム・ジヘ(金知慧) 韓国・江陵原州大学校多文化学科教授(マイノリティ