大阪フィルの定期でフェドセーエフがウェーバーの「オベロン」序曲、交響曲第1番とチャイコフスキーの交響曲第5番を演奏した。(私は都合で、初日に前半のウェーバーだけ聴いた。) ウェーバーの交響曲は、現在進行中の全集で既に新しい譜面が出ているはずだが、今回は従来の版を使ったのだろうか? 今年の定期の曲目解説の執筆者(敢えて氏名は書かない)が1990年代以後のウェーバー研究の動向を知らないのは、まあ、勉強しないおじいちゃんだから当然かなあ、とは思うが、私にとっては、この作品がマンハイムのフォーグラーの若きウェーバーへの従来考えられていた以上に広汎な影響を考える鍵だと知ったことが、ドイツの19世紀初頭の「非ベートーヴェン的」で、だからといって「シューベルト的引きこもり」に沈んでいくのではない宮廷音楽家たちの音楽の系譜(小岩信治が『ピアノ協奏曲の誕生』で「ポスト・ベートーヴェン」と形容したような)に目