筑波大の研究チームは29日、スギ花粉症の患者がバナナを継続的に食べると、くしゃみなどの自覚症状が一部改善されたとする臨床研究の結果を発表した。 谷中昭典教授らは2010年、花粉症のマウスを使った実験で、3週間バナナを摂食させたグループでは、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体などが減少していることを発見した。 ヒトでも効果を調べるため、比較的軽度の患者52人を、バナナ200グラム(約2本分)を毎日8週間食べ続けるグループと、全く食べないグループに分け、症状の変化を調べた。 その結果、血液中のIgE抗体や好酸球などアレルギー反応に関連する物質に変化は見られなかったが、バナナを食べたグループでは、「くしゃみが軽くなった」と感じる患者が多かった。 谷中教授は「マウスと同じメカニズムは観察されなかった」とした上で、「仮説だが、バナナに多いビタミンB6はセロトニンなどの脳内伝達物質の合成を