「ラノベばかり読んでるけど国語で全国2位取った」という匿名さんに誘われて読んで驚いた。これ、すらすら読めてズシンとくる。パッケージがラノベなだけでラノベじゃない、「家族とは何か」をシニカルに愛情たっぷりに描いた家族小説なり。 喧嘩っ早いキャバクラ嬢の姉。引きこもりでアニメオタクの妹。コミュ障でフリーターの父。そして、ほとんど高校に行ってない「俺」で構成される平浦家。世間的に見れば「普通」ではない家族が、寄り添うように暮らしている。 日々の生活で明かされる、それぞれの過去がキツい。最初のページで分かるのだが、ベンチャー企業の社長だった母は、既に他界している。美人の姉はもと兄で、性同一障害に苦しむトランスジェンダーである。なぜ妹が引きこもりになったかのエピソードは、怒りのあまり目の前が真っ白になる。人付き合いが下手で、社会不適格者の烙印を押された父は、それでも家族を守ろうと奮闘する。 社会的に