公共図書館における郵送・宅配サービスの動向 大妻女子大学短期大学部:中山愛理(なかやま まなり) はじめに 公共図書館における郵送・宅配サービスは、決して新しいサービスではなく、日本では障害者に対するサービスの一環として取り組まれてきた(1)。近年、郵送・宅配サービスの対象者を障害者から高齢者、子育て世代、一般市民へと拡大する公共図書館が増えつつある。本稿では、文献やウェブサイトで確認できた郵送・宅配サービスについて、図書館サービスでの位置づけを踏まえつつ、対象者別に、申込み方法、郵送・宅配方法、費用負担、サービス内容等の点から整理し、紹介していく。 1. 郵送・宅配サービスの図書館サービスでの位置づけ 「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)では、市町村立図書館(都道府県立図書館にも準用)による「利用者に対応したサービス」の1つとして、「