読んでもいない難しそうな本を持ち歩いて「オレは賢い」アピールしてる子はいねがー。 何かの本がベストセラーになると読んでもいないのに「ああ、村上春樹にしてはイマイチだね」とか、読んだふりをすることばかり巧くなっている子はいねがー。 そういう「賢い」お子さんたちにお薦めしたいのが、施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』である。5月初めに施川の単行本が3冊同時発売された。すでにこのエキサイトレビューでも紹介されているが、終末SFっぽい設定なのにちっとも緊迫感がない『オンノジ』、グルメ漫画風なのにまったく食べものがうまそうに見えない『鬱ごはん』が秋田書店刊、そして本書が一迅社刊である。異例のことだ。『バーナード嬢曰く。 』を一言で表すなら、あまり本を読んでいない少女が主人公の読書漫画、である。 本書の主人公・町田さわ子は、いかにして本を読まずして「自分は本読みであるか」を周囲にアピールするか、という非生