23日、9億人という世界最大の有権者を抱えるインド総選挙(公選議席543)の開票作業が始まり、同日午後には結果が判明した。結果は与党インド人民党(BJP)の圧勝だ。現地メディアによれば、BJPは半数を大きく超える議席を獲得し、モディ氏が引き続き首相として国のかじ取りを担う公算が極めて大きくなった。 だが、改革の成果が足元で存分に出ているとは言い難い。インド経済の成長率は2016年度の8%をピークに失速し、2017年、2018年は7%台に、2018年10~12月の四半期は6%台に落ち込んでいる。高成長を維持しているとはいえ、足元では個人消費の伸び悩みや格差の拡大、失業の増加などに対する不満が高まっていた。 製造業の振興策としてモディ首相が掲げる「メーク・イン・インディア」はインフラの不足などで遅々として進まず、2016年に発表された高額紙幣の廃止や2017年に実施された税制改革は経済を混乱さ