銅含有率の極めて低い鉱石に複数のバクテリアを含んだ硫酸をかけ、低コストでより多くの銅を抽出する新技術を、日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が開発、チリ北部コピアポ郊外の鉱山で実用化に向けた大規模実証実験を始めた。 電線や電気回路など幅広い用途がある銅は今後、高成長を続ける中国やインドでの需要拡大が確実で、資源の少ない日本にとり低含有率の銅鉱脈を開拓する技術開発が急務。新技術により鉱脈が枯渇した国内外の銅鉱山を再開発できる可能性が出てきたとJOGMECは期待をかけている。 JOGMECは2005年から秋田県小坂町で実験を行い、鉱石に自然に付着する複数のバクテリアを培養し、大量に硫酸に加えることで銅をより早く、大量に抽出することに成功。コピアポでの約2年間の大規模実験でも同様の結果が得られるかを検証、抽出に最適な条件を見つけ実用化につなげたい考え。(共同)