軽くて長持ちする電池が携帯型機器には必須である。そのような機器にはリチウムイオン二次電池が欠かせないが、小型軽量の燃料電池と組み合わせることで、さらに利便性が増す。燃料電池を小型軽量化する技術を紹介する。 スマートフォンやタブレットなど携帯型機器の「命」は電池だと言ってもよいだろう。電池が切れた機器は何の役にも立たない。消費電力が低いプロセッサを採用し、省電力に工夫を凝らしたシステムを設計したとしても、電池の重要性は変わらない。小型軽量でありながらなるべく容量が大きな電池が必要だ。 このような条件を満たす電池の候補は、既に広く使われているリチウムイオン二次電池と、「燃料電池」*1)である。 *1) 燃料電池とは、水素と酸素をゆっくりと反応させることで、電子の流れ(電流)と水を生み出す装置をいう。1960年代のNASAジェミニ宇宙計画で商用化された。外部から水素を与えると発電する点は、軽油や