■ 概 要 本提言は、今般の雇用危機を契機に、日本の労働市場が抱える構造的問題の解決を促すものである。特に、 終身雇用制を維持していくことで雇用と生活の安定が作り出せるという考えからの決別と、総合的な雇用システムの転換を提案している。 これからの雇用政策は、産業構造の変化に合った能力を身につけさせるかに重点を置くべきで、より良い転職を促しす仕組みづくりも必要である。 雇用政策は、産業政策や成長戦略と密接に関連付けて考えていくべきである。政府が積極的に関与すべきポイントは、 規制や障壁が存在する産業に対する規制改革、および国家の成長戦略的分野に対する産業政策と雇用政策のセットでの実施である。人材育成・ 教育訓練システムを、産業政策的視点で大胆に導入していくことも重要である。 ■研究報告書(全文) ■ 目 次 はじめに 1.幻想としての終身雇用制 (1)かけ離れた実態 (2)そもそもそんなに長