すっきりとした形で着け心地のいいヘッドセットを装着し、コントローラーを手に持ち、ボタンを押す。するとドローン(無人機)が離陸し、洪水に見舞われた町の通りを飛んでいく。操縦者はゴーグルを通してドローンと同じ風景を見ることができる。家や木が倒れた様子を360度映し出す鮮明なライブ映像だ。下を向くと、ドローンの下方に広がる景色が見える。このフルカラーの映像が固まることはない。ネットワークにはレイテンシー(遅延)がないためだ。実質、自然災害後の現場にデジタル的にテレポーテーション(瞬間移動)しているのと同じだ。