世界的なモノの貿易は、昨年の低迷を経て持ち直しの兆しを見せており、海上貨物運賃が大きく上昇している。3年前の国際貿易を混乱させた需要の急増を思い起こすサプライチェーンマネジャーもいる。 ノルウェー・オスロに拠点を置く海運分析プラットフォーム、ゼネタのシニア海運アナリスト、エミリー・スタウスボール氏は「この状況は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)時の混乱と海上運賃高騰の記憶を呼び起こすだろう」と指摘。「荷主はコロナ禍で教訓を得ている。一部はピークシーズンや需給が逼迫(ひっぱく)する可能性に備え、輸入を前倒ししている」と話す。 海上運賃がこの1カ月にわたり上昇している背景には、楽観よりも心配に起因するものがある。アジアの港湾での混雑、港や鉄道サービスを妨げる恐れがある北米の労働争議、米中貿易対立の高まりを巡る懸念などだ。 海運業界は紅海での攻撃によってスエズ運河を通らず、ア