ロング・ナウ協会代表、スチュアート・ブランド氏に聞く (上)「『時計』は、新たな1万年を考えるためのツールだ」 米国ネバダ州東部の山の地下に、1万年にわたって時を刻む「時計」をつくろうというプロジェクトがある。その主体、「ロング・ナウ(Long Now)協会」(http://www.longnow.org/)代表のスチュアート・ブランド氏(65)は、1960年代のカウンターカルチャーとデジタル革命の連なりを象徴する存在だ。「遥(はる)かな時」の思考を提唱する、ブランド氏に聞いた。 ●砂漠で動き続ける振り子 ――「時計」の現状を教えてください。 「全長9フィート(約2.7メートル)の最初のプロトタイプはすでに(99年末に)完成して、ロンドンの科学博物館に収蔵され、実際に動いている。2番目のプロトタイプはやや大きくて、今年中には完成するはず。いずれも(スーパー・コンピューターの開発者)ダニエル