要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター行動・神経回路研究チームのアンドレア・ベヌッチ チームリーダー、青木亮研究員、坪田匡史基礎科学特別研究員らの研究チームは、マウスに対して複雑な認知課題を自動的に訓練するための標準的なシステムを開発しました。 私たちの知覚や注意、意思決定、学習などの認知機能とそれに基づく行動は、脳内の多数の神経細胞の活動が複雑に協調することによって生じます。したがって、神経細胞の活動と認知機能との因果関係を調べることは、正常な認知機能や行動および病気のさまざまな症状を生み出すメカニズムを理解する上で重要です。こうした研究において、遺伝子改変技術が充実しているマウスは、欠かすことのできないモデル動物として注目を集めています。しかし、マウスに対する認知課題の訓練は一般に数カ月を要し、研究効率を上げるために何十匹もの個体を並行して訓練することは人手がかかるため現実的