01 2つの詩曲 Op. 32: I. アンダンテ・カンタービレ(オーケストラ編) 2 Poèmes, Op. 32 – I. Andante cantabile(Orchestra version) 1903年(31歳) モスクワ交響楽団/イーゴリ・ゴロフスチン(指揮) アレクサンドル・スクリャービン。青年時代はラフマニノフと競いあうほどのピアノの優等生であった彼の作品に、悩ましげな香りがたちこめだすのは30代に入った頃。母校であるモスクワ音楽院の教授職を辞し、フリードリヒ・ニーチェや神智学に共鳴し、女弟子タチヤーナ・シュリョーツェルとの禁断の愛に耽る日々を送る中で、彼のうちに、だんだんと、センシュアルなインスピレーションが芽生えていきます。31歳にして彼がはじめて手がけたこの「詩曲(ポエム)」からは、彼がその後、10年の歳月をかけて深めていった「神秘和音」の気配がすでに漂いはじめていま