収穫された豆から緑の双葉が伸びている「いかにも地球に優しそうな」表紙(前日のエントリ参照)。最初書店でこの本を見かけたとき、スティグリッツと「フェア・トレード」という意外な組み合わせに興味を引かれた反面、「生産者と直接結びついた取引をして、おいしいコーヒーやワインを飲みましょう」なんてことが書かれていたらどうしようかと思った。が、それは全くの杞憂で、この本の内容は「流通業者による中間搾取を排して生産者と直接結びつこう」という社会運動としてのフェアトレードとは全く関係ない。よく考えればあのスティグリッツがそのような本を出すわけがないのである。 というわけで基本的には『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』ISBN:4198615195いい内容だが、前著が主に通貨危機に陥った国に対するIMFの経済介入に対する批判が主なものだったのに対して、今回の焦点はWTOに当てられている。 WTOというと、
水曜日に経済学部主催のセミナーでウィリアム・イースタリーの講演会があったので参加してきた。イースタリーの基本的な主張はすでに47thさんが手際のよい紹介をされている(1、2、3)なのでそちらを参照してください。 それを読んでいたため、もっとサックスやアンジェリーナ・ジョリーやボノらに対する悪口がぼんぼん出てくるかと思ったけどそんなことはなくて、あくまでもデータに基づいた真面目な現状分析と政策提言の話が中心だった。ホームグラウンドでの講演とは違ってやはり若干慎重になったのだろうか。 ただ、データとはいっても以下のような紹介の仕方をするところはやはりこの先生お茶目(パワーポイントをメモしたものなので正確ではありません)ではある。 1960年代: ウォルト・ロストウ、J.F.ケネディに途上国への援助額を2倍にすることを進言。 1970年代: 世界銀行総裁のマクナマラ、途上国への援助額を2倍にする
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