国内最小の自動車メーカー、富士重工業。かつては経営危機が隣合わせの不安定で“ひ弱な”存在だったが、いまは違う。「スバル」ブランドの乗用車が好調で、空前の好業績を叩き出している。 2013年3月期決算は、世界販売台数に売上高、営業利益で過去最高を更新した。株価も上場以来の最高値を更新。辛口の証券アナリストをして、当面の好業績に太鼓判を押すほどだ。 売上高の約8割を海外で稼ぎ、国内生産が約8割を占める富士重は、超円高の是正が大きくプラスに働く。加えて、主力市場の北米が復調している。ただし、目先の環境変化が現在の好業績を導いたわけではなく、10年近く前から続けてきた地道な社内改革の賜物であることは、本誌9月16日号の企業研究「富士重工業 常識の真逆を行く」でご紹介した。 社内改革の結果、行き着いたビジネスモデルは、大手自動車メーカーとは真逆だ。 トヨタ自動車や日産自動車などは、国内では絶好調の軽