鷲見和紀郎(1950- )は、ブロンズ、石膏、ワックスといった素材を自在に往還しつつ、一貫して彫刻の可能性を追求してきました。池をのぞむ美術館の中庭を取り囲む半屋外に展示される新作は、重量感をそなえながらも伸びやかな形態のブロンズと、その表面の、粗く、かつ滑らかな陰影を浮かび上がらせる光(蛍光管)という異素材が組み合わされ、相対する要素の積み重なりから生まれる、思いもかけない幅の広がりを感じさせます。中庭の壁をつたい、また壁から立ち上がる、ワックスを用いた現場制作は、覆った向こうのものを感じさせる皮膜のような表面に、刻々とうつろう光をとらえます。 本展では、これら新作に加え、作家自身が選んだ1980年代以降の代表作品9点とドローイングから、その多様な作品世界を紹介します。 鷲見和紀郎アーティストトーク 1月28日(日曜) 午後2時から (ゲスト:松浦寿夫氏) 予約不要 無料(観覧券が必要で