第3回の「基本から応用」ですでに、秋山流軍学の2層構造を学びました。今回は「戦務と戦略」の2元構造を学びましょう。あわせて「2元2層」、これが秋山流軍学の全体構造です。 戦務とは兵站? 海軍大学校の前期講義で、秋山真之は「海軍基本戦術」と「海軍戦務」を平行講義しました。 「戦務」とは聞きなれない術語でしょう。これは秋山真之が『兵語界説』で定めた独自の術語です。今日のことばでいえば「兵站」ですが、この「站」という字は単独では『広辞苑』にも現われない。企業参謀を志すほどの方は、ここで諦めてはいけません。漢和辞典で確かめる習慣を身につけてください。以下、秋山流思考の演習を試みましょう。 「站」の原義は「しばらく立つ」「立ちどまる」で、「宿場」「停車場」を意味します。中国へ旅行した方なら、なんどもお目にかかっているはずです。 では、英語ではなんというのか。平成の企業参謀諸兄姉は、こちらのほうは得意