このコラムに相応しいかどうかは別にして、今回のテーマは、「色気」についてである。色気の無くなった自分が書くのも変な話だが(笑)、その渦中にいる時には分からないものが、過ぎ去ってみるとその本質が見え隠れすることはよくあることだ。 色気は、人を惹きつける要素であり、意外に重要な役割を担う。男女・年齢を問わず、ある人にはあり、ない人にはない。色気があり過ぎると身を滅ぼし、なさ過ぎると人が去っていく。厄介な存在である。 色気は人を元気にする 随分と昔になるが、急性腎炎で4カ月ほど入院したことがある。内科病棟の大部屋の患者さんたちは、私を含めみな内臓疾患で、すぐには埒があかない男性の患者である。切れば治る可能性のある外科病棟と比べ、少し陰鬱な感じであった。4カ月間の入院中にもお二人の方が亡くなられた。そういう雰囲気の大部屋での会話は、デリカシーが必要だ。その中で最も当たり障りが無く皆を明るくするのは