夏の間に時計の針を1時間進めるサマータイム(夏時間)の導入論議が再燃している。東京電力福島第1原発事故後の節電要請から企業や自治体で「繰り上げ出勤」が広がり、東京都の猪瀬直樹知事は通年の「2時間前倒し」を唱えた。そもそも戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で4年間だけ導入されながら定着しなかった経緯もある。賛否両論が渦巻く「古くて新しい」テーマについて、住環境計画研究所の中上英俊会長と、北海道大の本間研一名誉教授に聞いた。(徳光一輝) ■中上英俊氏「多様な生活を送れる」 −−サマータイム制度とは何か 「太陽の恵みを生かし、日中の明るい時間を有効に活用しようとするものだ。例えば、全国の標準時を4月の第1日曜日に1時間進め、10月の最終日曜日に1時間戻すことで、その間、起床や就寝時間も働く時間も従来通りでありながら、夕日の沈む時間が1時間遅くなる。明るい夕方の時間が1時間増えることで活