北太平洋はメチル水銀濃度が初期の水俣湾に近い Methylmercury concentration in the North Pacific Ocean is close to the early state of Minamata Bay 現在の日本全域への警告 入口紀男 Norio Iriguchi 1932年 5月 7日から 1968年 5月 18日までの間に熊本県の水俣湾と不知火海に流された水銀の総量は、0.4~4トンのメチル水銀を含めて、400トン前後であったと考えられる。それによって水俣湾から不知火海沿岸などに及ぶ広い範囲でメチル水銀中毒症がひき起こされた。 かつて魚介類(ぎょかいるい)を多く食べる国民ほど長生きし、また、胎児も成長する傾向にあると考えられていた [1]。魚介類には、PUFA(多価不飽和脂肪酸)といって、 DHA(ドコサヘキサエン酸)や EPA(エイコサペンタ