私は、消化管内視鏡・がん診療を専門にする内科医です。普段は、京都大学の大学院生として、研究、内視鏡診療に従事する傍ら、診療のため、飛行機で2週に一度のペースで福島県へと通っています。 私が勤務する地域の1つに、福島県川内村があります。2016年春から、診療所と介護施設での診察を担当しています。川内村は、福島第一原発の南西20-30kmに位置し、一度は全村民避難の方針となりましたが、比較的低線量であったことから、全ての自治体の中で最も早く、2012年1月31日に帰村宣言がなされました。 その後、徐々に帰村可能区域が拡がり、2016年6月に全区域で帰村可能となりました。現在では約3000人の村民のうち約1800人が帰村しています[1]。他の地域よりも帰村率は高く、高齢化も進んでいますが、村役場の関係者など、若い方も多くおられます。生活を守るために医療が不可欠です。 東日本大震災から5年が経過し